回顧

■日曜京都11R 日経新春杯 
1着 ◎サクラセンチュリー(2人)
2着 ×マーブルチーフ(7人)
3着 ×ストラタジェム(3人)
4着 △コイントス(6人)

9着 ○ナリタセンチュリー(1人)

はずれ
レースは予想通りこれといった逃げ馬不在のスロー展開。コイントスが他がいかないと決めての単騎の溜め逃げ。すぐ後ろにマーブルチーフマイソールサウンド。断然人気ナリタセンチュリーは中団後ろ目に付け、それをマークする形でサクラセンチュリー。サクラとナリタが互いを牽制しながら三角半ばまで13.8から12.9という緩い流れ。ストラタジェムはその両騎の牽制の中で隙あらばとその後ろから好機を窺う。

今の京都芝コースの傾向は皆わかっている通りに超外伸び馬場。縦の位置付けよりも横の位置付けが何よりも重要で内目に入った馬は勝ち目なし。かといって大外に回った馬は距離損分だけ勝ち切るに至らず(能力の違いで差し切れる場合もありますが)。内目と外目の馬場の良くなる境目付近に勝ち馬のコース取りがある。このコースラインを取る馬を探すのが今の京都芝コースの予想の基本。今年に入って武豊は面白いくらいにこのラインばっか通って勝ちを拾っていて、このラインを個人的には豊ラインとか言ってます。(関東の岡部ラインみたいで嫌だけど)
この日の10Rの紅梅Sで軽く遊びでエリモファイナルオリエントチャーム、ケイアイブーケを三角買いしていたときも、直線に入るところでオリエントチャームの豊がその必勝ライン、エリモファイナルがそのすぐ外に付けたときには、前とはまだ差があったけど、一緒に見ていた友達に「こりゃ貰ったな。」とか口走ってました。(幸四郎(3着)が前から段々外に寄せながら粘ってたので少しヒヤっとしたけど…)

話を日経新春杯に戻す。緩やかな流れで進む中、人気三頭の縦の隊列はナリタ、サクラ、ストラタの順。ナリタの武豊としてはこの隊列のまま直線を迎え、後ろ二頭より先に勝ち馬ラインに乗りたい。しかし先に動いては脚が鈍ったところで後ろ二頭の切れに負けるかもしれないので、出来るだけ仕掛けを我慢したい。理想はこのまま直線まで動かない形。
三角から四角にかけてレース全体が徐々に流れ始める、そのワンテンポ先の絶妙のタイミングで佐藤哲三が仕掛けると、ナリタセンチュリーの外に並びかけるように動き出した。武豊としては有り難くない動きだが、サクラに前を行かれるとラインを取れないうえに、サクラが前に行くのをやりすごしてから外に振ることになると余程馬の切れ味がサクラより抜けてないと勝ち難い。サクラセンチュリーの動きを見た武豊は釣られるようにワンテンポ遅れた形で動き出す、が勢いに勝るサクラセンチュリーはナリタに並びかけながら直線に入る。ナリタはサクラより前に出たかったが行き脚がつかずに交わせない。外を回すサクラの内に進路を取るしかなかった。
ここで問題のアクシデントシーン。前の各馬も当然内に入りたくはなく自然と一団が外目に回してくる。すると前には内から流れてきたダディーズドリーム他の馬群、すぐ横の外にはサクラセンチュリーがいて、ナリタセンチュリーの進路がなくなった。哲三が上手い形でナリタを内に封じ込めた。内目には馬が固まっていて出すとこはない。ここで瞬間武豊の選択は二つあったと思う。サクラセンチュリーのコース取りに食い込むか、サクラセンチュリーが前に行くのをやり過ごしてから、その更に外に出す。後者はこの位置からサクラセンチュリーが行くのを待っていたら、そのサクラセンチュリーに勝つことはまず不可能。豊の選択は前者。あくまで勝ちに拘るならばサクラセンチュリーのラインをもらうしかない。しかし哲三もみすみす最有力馬に乗った武豊に勝ち進路を譲るわけにはいかない。もらえないなら奪うだけと、豊は漫画「モンキーターン」の洞口親子ばりのダンプをサクラセンチュリー号にブチかます。が馬格もあるサクラセンチュリーも踏ん張れば、負けん気強い哲三も余計に譲らない。再度のダンプは互いにブチかましあうとナリタセンチュリーはここでスローダウンしていき脱落。
サクラセンチュリーはそこから行き脚をつけると前の馬を捕らえ、外から来るストラタを封じ一着でゴール。あのアクシデントがありながら勝ち切ったあたりに能力を見せてくれました。G3、G2と重賞連勝で春の王道路線を約束された。ついでにこの日経新春杯は一昨年の勝ち馬がバンブーユベントス、昨年がシルクフェイマス。その父はマヤノトップガンマーベラスサンデー。当時の3強と謳われた三頭の産駒が、時代を経てここで揃って勝ち馬を並べることになった。残念なのはここで単勝を買ってあげられなかったこと。というのも馬単一着はもっていて、ナリタセンチュリーのこの結果をあまり想定してなかったから…。応援馬が来て且つ印を打った馬が上位独占してるにも関わらず外れ馬券しか持ってないのが、口惜しかった。
2着は粘ったマーブルチーフ。ハンデも恵まれ池添も上手く乗っていた。3着は外から伸びたストラタジェム。ただしハンデを貰ってマーブルチーフも交わせなかったことを考えると、やはり現時点ではトップクラスとやりあうにはもう一枚足りなかったか。4着コイントスも理想的なマイペースで競馬が出来、期待通りの復調を見せてくれた。
このレースの審議の件の見方について、ちょこちょこと他の方々の競馬ブログとかを覗いてみましたが、豊の抵抗で見た目が派手だったことと、ナリタセンチュリーが断然の一番人気だったこともあって、乗っていたのが武豊だったせいか、思ったよりも批判的な見方のほうが多くて少し驚いた。
あくまで個人的な見方としては、あれはセーフの裁定が当然正しいと思います。これは自分がサクラローレル好きだから贔屓した見方をしているつもりもないですし、そもそも俺はサクラ−ナリタの馬券しかもってなかったので、ナリタが上位に絡んでれば馬券的には完璧に入っていたので、出来れば勘弁してほしかったです…。
あの哲三のコース取りは豊に進路を譲ってあげなかっただけで、カットしたわけではないというのが重要。流れの中で上手く封じ込む形になったわけで、あれがアウトなら96年の天皇賞秋でサクラローレルを上手く封じたマーベラスサンデーの豊もアウトにしてほしい。豊のマーベラスがナイスプレーであって、今回の哲三のセンチュリーが叩かれる違いは、豊の抵抗があったのと、やったのが哲三か豊という違いだけかと…。哲三は結果ナリタを殺した辛い騎乗をしましたが、勝ちにいった乗り方をしていました。結果的に前の馬の流れを考えられずに、あの苦しいポジションに飛び込んでいってしまった、また回避に窮した武豊の甘い判断ミスで、叩かれるべきなら哲三よりもどっちかというと武豊様のほうだったと思います。
何やらかなり批判があったみたいで武豊は即日WEBの日記で哲三のフォローすれば、JRAはサイトのお知らせでパトロールビデオへのリンクを張ってたりした。

あと、これは馬券を外したからブーたれるだけなんですが、ナリタセンチュリーはこのレースではサクラセンチュリーに完敗でしたが、それがそのまま両馬の差だとは思ってません。ナリタセンチュリー武豊のミスで負けたと思ってます。これは直接的にアクシデントの件を言っているのではなく、アクシンデントを受ける形までの乗り方。この馬は自分のペースで走らせてこその馬で、その気にさせれば加速力は大したことないけど最高速が速いのが持ち味。京都コースで強かった理由は坂を惰性で加速していけるからで、すっと仕掛けてスパッと切れる脚を使うタイプでなく、サクラを待って追い出す形になったのが失敗の一つ(このナリタの瞬間的な切れのない部分をとって武豊様は「どうも本調子ではなかったような感じです」と思ったと受け取ってます)。

日経新春杯ナリタセンチュリーは、どうも本調子ではなかったような感じです。ポジションは予定通りでしたが、息が入る場所が一度もなく、3コーナーあたりでは隣のサクラセンチュリーと明らかに脚色が違っていました。(武豊様の日記

ナイフの切れ味ではないナタの一振りのよう豪脚を出すには序盤は溜めるだけ溜めて、ゆっくり大外進出。あのレースでのイメージ的にはストラタジェムの動き出しを早くしたような競馬が理想だった。ナリタセンチュリーの最終追い切りで豊が騎乗すると、普段と違う乗り役に反応したのか知らないが、乗ったとたんにかなりイレ込んでいたそうです。過敏で走る気次第な馬で、テン乗りで馬の特性も把握しきれず、手が合わなかった武豊ナリタセンチュリーの敗因は騎手と、その乗り代わり。というわけで田島に戻してほしいと思ってます。(でも豊が再度乗ったらやっぱ買う。二度目だから。)

ついでに
田島裕和騎手の日記。

日経新春杯ナリタセンチュリーは私が乗る予定だったのですが、10日前に調教師から乗り替わりを言われました。
(中略)ナリタセンチュリーの状態は悪く無かったです。あの馬の癖は勝負どころで気を抜くと言うか遊ぶところがあります。手応えがない感じですが直線では長くいい脚を使ってきます。私が勝った時も殆どそうでしたし、特に京都大賞典ではスローペースでしたが道中追いどうしで勝負どころでも付いて行くのが精一杯でした。京都の下りを利用して仕掛けて行こうと思ったぐらいでしたから。

真っ向から豊様の言い分に反抗してるような…。去年のジャパンカップでおろされた時といい、一競馬ファンとして読ませてもらう分には大変面白いけど、歯に衣を着せぬ文章はもう少し自分の(立場の)為にも言葉を濁して書いたほうがいいんじゃないかと余計なことながら思ってしまう…。
■日曜中山11R 京成杯(G3)
1着 △アドマイヤジャパン(1人)
2着 ○シックスセンス(4人)
3着 ◎コスモオースティン(6人)
4着 △イブキレボルシオン(5人)
的中(三連複3,020円)
馬場が酷いことになってたが平均ペースの中を◎コスモオースティンが粘りこんで三連複だけ引っかかった。アドマイヤジャパンは仕上がり途上の中で勝ち切ったことに価値があった。終わってみれば仕上がり云々の前に役者が違ってたということでした。モエレアドミラルが想像以上に人気してたが、急遽のダート変わりでも期待してるのかと思った。あの水の浮いたズルズル馬場は、蹄が路面に引っかかりにくいからダート馬には尚のこと厳しかったはず。良馬場でもう一度見てみたい(買わないと思うけど)。

他を簡単に。
■中山10R 迎春S ◎ブリットレーン(7番人気4着)
スタート合わずの時点で絶望。その割には思ったより頑張ったことで中長距離適正は見せてくれた。
■京都9R 花見小路特別◎サクラミヤビ(5番人気13着)
直線内に進路をとったとこで完全に諦めた。今の京都芝では内枠は基本的に苦しい。
■中山8R ◎サクラエヴィーヴァ(1番人気3着)
ハイペースに飲み込まれた。その割には走っているので次はさらに前進。
■京都12R ◎ヤマノサンデーズ(3番人気12着)
メインで武豊様にアヤがついたとこで買い控えるべきだった…。