回顧

■日曜阪神11R 宝塚記念(G I)
1着 …スイープトウショウ(11人)
2着 △ハーツクライ(3人)
3着 △ゼンノロブロイ(2人)
4着 ◎リンカーン(4人)
はずれ
スタート押し出されるようにシルクフェイマスビッグゴールドが先頭に立ちかけて後ろを待っていると、そこから予想通りにコスモバルクが抑えきれずにハナにたち、1角から息の入らない厳しいラップを刻み続ける。タップダンスシチーは外から内を見ながら前に進出。本命リンカーンは前走で折り合いを意識しすぎてレースの流れにのれなかったことで、音無調教師に強く言われたらしく今回は福永がスタートを出てすぐ押して先団のすぐ後ろに構える。スイープトウショウは珍しくゲートを五分に出て中位。
3角からタップダンスシチーが強気にバルクを交わしにかかると、バルクはここで失速。イメージしていた通りの厳しいラップでこれは先行勢が苦しくなるな。よしよしとボクもほくそ笑む。ここで先団内目でタップを視界に入れて構えていたセンノロブロイはバルクの後ろで進路が詰まり追走がワンテンポ遅れる。すると4角先頭で押し切りを図るタップを追走しているのは何とボクの本命リンカーンではないか!大誤算のリンカーンの強気な競馬。そこでタップに付き合ってしまったら最後まで押し切るのは難しい。早仕掛けが祟り直線で脚色が衰えるタップをリンカーンが交わすもタップを追いかけた分だけ早めに坂の途中で脚が無くなる。遅れてやってきたロブロイに交わされると、更に外からスイープトウショウに交わされ、4角でスムーズに出せずにワンテンポ仕掛けが遅れたハーツクライの猛追にも交わされての4着フィニッシュ。
スイープトウショウはスタートを生涯初めてじゃないかというくらい綺麗に出たことと、安田同様の得意のハイラップ競馬になったことで見事に能力を発揮できた。安田記念ではテレグノシスの仕掛けに乗らざるをえなかったことで仕掛けが少し早くなってしまった教訓から、鞍上の池添も上手く好位置から仕掛けを我慢することに成功したのも大きな勝因だった。これは勿論人気を背負っていなかったことも仕掛けを我慢できた要因の一つなのだろう。

ロブロイはバルクが壁になってくれたことが逆に幸いしたと思っている。おかげでタップの仕掛けに乗らずにすみ、ワンテンポ遅く仕掛けることが出来たことがリンカーンを交わし三着まで押し上げた。
厳しいラップで流れ、早く動き出した順に苦しくなっていくのは、レース前にイメージしていた通りに一昨年の宝塚記念に酷似していた。その一昨年で苦しい流れを三着に堪えたタップが着順を落としたのはやはり年齢によって少なからず衰えがある証拠なのかもしれない。
ラップ的には昨年も近いラップを刻んでいるのだが、今年が一昨年と似通って昨年と似て非なるとこは、まず馬場。昨年の同開催阪神は比較的上がりが速かった傾向があって、ある程度厳しいラップでも余力で良い脚を使える馬場だった。それにタップダンスシチーから見ると3角から先頭にたとうとしたとこでバルクが余力なくとも譲らなかったとこ。コスモバルクが一昨年でいうマイソールサウンドに近い役回りを果たして先行勢に息を入れる余裕を与えてくれなかったことも近しい結果を生むことになった。

一昨年のヒシミラクルのポジションが回ってくると思っていたリンカーンが一昨年のシンボリクリスエスの役に回ってしまい、代わりにミラクルの配役にはスイープトウショウが入っていた。ハーツクライは見事にツルマルボーイ役にすっぽりハマり、橋口横山典弘コンビ大好きな2ゲットに成功。先に動いた馬から脚が無くなっていく競馬で、4角ですんなり動けていたのだったら仕掛けタイミングベストだったのはこの馬だったのではないか。
ヴィータローザは太目を解消できなかったのが痛かった。

スイープトウショウには最後に悩んだ末に印が回らなかったので、どっちにしろ仕方ないのだが、リンカーンの福永の騎乗には個人的には不満が残った。天皇賞では後方で流れに乗れず、宝塚記念では早仕掛けで厳しいラップに呑み込まれる裏目の騎乗。結果論だがこの天皇賞宝塚記念の競馬の仕方が、逆になっていたら多分もっと好結果がついてきただろう。
まぁ、全て自分がイメージしている通りの、これで負けたら仕方ないと思える競馬になってくれることのほうが、その逆より数段レアなわけですが、今回みたいにレースの流れ自体はほぼ読みきれて計算式自体は見えていたのに、回答の選択を間違えたのは、レースの流れが想定と狂ったレースで馬券を外すよりもかなり痛くて、悔いも残る結果になった。