チューリップ賞と牙の折れた安藤勝己

■土曜阪神11R チューリップ賞(GIII)
1着 …エイシンテンダー(3人)
2着 …アドマイヤメガミ(7人)
3着 △ダンツクインビー(10人)
4着 ◎オリエントチャーム(2人)
はずれ
平均の流れであの馬を除けば大体能力を出し切った。エイシンテンダーは好位の内で脚を溜め、直線抜け出すとあとは突き放すだけ。ペニーホイッスルを差し切った脚が本物だった。オリエントチャームエリモファイナルは何てこともなく普通に凡走。アドマイヤメガミもさして強い馬でもなく、3着ダンツクインビーに至っては応援で買ってはいたけど、評価としては500万条件上位級の馬だったのでここで権利を取れるとは内心では思っていなかった。勝ち馬と件の馬は別としても、終わってみれば弱メンバーの集まったレースでしかなかった。
件の馬、断然の人気を背負ったディアビラノビアは道中揉まれ、折り合いを欠き頭を上げたり直線では進路がなくなり何度も不利を蒙る大駄騎乗。安藤勝己の悪いリズムを一身に被ってしまった。ここを飛ばして日曜にはさわらび賞でレジェンダロッサをこれまたチューリップ賞のリプレイのような大駄騎乗を炸裂、その他人気馬もことごとく馬券圏外にすっとばしてと、昨年秋からの惨い状態はかなり目につくので、少し考える。
スローペースだろうが前残りのダート、馬場だろうが、何でもかんでも道中抑えこんで後方から直線ぶっぱなして、そこに進路が空いてればラッキーみたいな、本当に何の考えなしの頭の弱そうな騎乗ばっかり目につくようになった。それと同時に顕著なのが急激に減った制裁点。JRA騎手はレースで馬を制御できなかったり、ラフプレーによる斜行により進路妨害などの際、降着等も含めて審議され、その悪質ぶりに合わせて基準の制裁点を課せられるのですが、それが30点を上回ると競馬学校で中学出たての生徒と一緒にお勉強しないといけなかったりする。昨年安藤は9月を終えた時点で何と二度もの30点オーバーを達成。かたや藤田なんかは年間で一度も戒告を受けない偉業を達成したりしてるのに、安藤は9月までで60点もの制裁点を貰っていたわけです。スランプの兆しが出てきたのも大体この時期あたりからだと思うが、その時期と同じくしてそれを境に急激に制裁点が少なくなった。9ヶ月で60点オーバーだった騎手が、そっから年末まで2点(1点×2)の戒告のみ(騎乗停止期間を差し引いたとしても一気に減ったのは間違いない)。そして今年に入ってからもまだ3点のみ(ちなみに昨年安藤と争うように制裁点を荒稼ぎしていた松岡は今年も順調に制裁をもらっている)。つまり安藤のここ数ヶ月の低落っぷりは、昨年好調期の強引な競馬(良くいえば積極さ)が減ったことが、大きく原因に結びついていると考えられる。再教育が厳密にどんなことをさせられているかは知らないのですが(田原原作の漫画「ありゃ馬」では寺で座禅させられたり、坊主刈りにさせられたりしてたけど…)、齢45にして干支二周り半も下のガキと一緒に机を並べるのは恥ずかしかくて、流石の安藤勝己(45)も二度の再教育には猛省したのかも。
とりあえず中央のぬるま湯に浸かりすぎたのか、再教育が怖くて勝負より馬を卸すことに比重を置きすぎてるのか、本当はそれ以外に原因があるのかわからないけど、最初のころの地方騎手特有の良くも悪くも積極的な勝ちに行く騎乗が影を潜めたのは確かで、現在の弱腰になって長所のハングリーさがなくなった安藤は下手に人気馬が集まってるだけに、ただの人気をとばし高配当製造マシーンに成り下がってしまったのかもしれない。