ダービー回顧

■29日東京10R ダービー(G I)
1着 ◎ディープインパクト(1人)
2着 ○インティライミ(2人)
3着 ×シックスセンス(7人)
的中!(馬連540円,三連複2410円,三連単4250円)
ディープインパクトグレード制導入以降の中央G1ではファインモーション秋華賞を抜いて歴代最高の単勝支持率73.4%に応えてダービーレコードタイでの圧勝。
ディープインパクトパドックでは尻っ跳ねをしたり、幼い気性を見せていたようにゲートの中でも体勢を取れずに予想された通りの出遅れスタートで後方からの競馬。ただ皐月賞のことを考えれば当然のように、この程度のビハインドはビハインドの内に入らなかった。
道中は後方内目に構えると、三角からレースの全体が動き出すと、スッと外に出してそのまま不利のないように慎重に外目外目からの進出。直線3Fではレースラップ34.5を想定1秒以上も上回る上がり33.4で且つ最後は流す余裕のあった、正に一頭だけモノの違いを見せつけた衝撃の圧勝劇だった。(←衝撃と圧勝劇でかかってる・オモシロ)。
二着インティライミはあくまで自分で頭を取りに行っての凌いだ二着で自身の強さは十分に証明できた。不安材料の一つだったスタートを五分に出れたとこで一つ「よしっ!」と声が出た。そのまま流れに乗り遅れないように押して先行すると、道中は好位の四、五番手の内で理想通りロスなく脚を溜める競馬。四角でレースが動くとそのままラチ沿いを進み、直線逃げていたコスモオースティンが僅かにラチ一頭分だけ膨れたとこを躊躇なく突っ込む。力不足で総崩れの先行勢の中で唯一頭抜け出すと、ディープに勝つにはこれしかない狙って出し抜けを計った、あくまで攻めて勝ちに拘った好騎乗だったし、インティライミ自身もそのロングスパートに応えた良い競馬が出来ていた。直線まで理想通りの100%の競馬が出来ていたことで、直線入り口から坂下まではもしかして勝てるかもしれないとまで夢見たが、その刹那ディープインパクトに現実を見せつけられる儚い夢でした。
これで勝てなければ仕方ない納得づくの競馬で、最後は皮肉にも佐藤哲三が競馬予想TVでコメントしていた通りになってしまったが、インティライミが一頭坂上まで抵抗したことで、インティライミの力の証明と同時に今年のダービーの価値、強いてはディープインパクトの価値も高めることが出来たと思う。三冠目の菊花賞の舞台ではインティライミの息の長い脚は更に武器になると思うので頑張ってほしい…けど次も同じように適正云々の次元ではない馬がいるわけで…。インティライミ名脇役という役回りに成り下がることになってしまった、ディープインパクトと同世代に生まれたことを悔やむしかない。
三着にはシックスセンスアドマイヤフジと一緒に差しこんできた。シックスセンスはスタートが合わなかったのが痛かったが、道中はディープインパクトを見ながら直線ではまた堅実な末脚で持ち味を見せた。自分から動ける競馬が出来れば重賞勝ちも見えてくる。アドマイヤフジはやはり府中が合う。マイネルレコルトは道中死んだふりの最後方待機からロスをしないようにラチ沿いを伸びてきた。弥生賞皐月賞の結果からまともにやりあったら難しいと思ったのか、距離適正を考慮しての作戦だったのか、奇策に出て成果もそれなり。三着から五着は着拾いの騎乗で狙い通り着を拾った競馬で、三着以下の競馬が勝ちに行ったインティライミの二着という価値を押し上げている。
レースはコスモオースティンが緩みない平均ラップで引っ張って地力勝負を演出した。ディープインパクトが後ろに構えることで、ディープの動きを牽制しあって緩く流れたり、ディープとの差を少しでも広げておこうと無理なペースでレースを壊したりということがなく、個人的には(嫌いな騎手ではあるけど)、今回の武幸四郎の競馬には名演出賞をあげたい。